Aには25日に会った。この日自分は午前出勤していて、
お昼休みにAに声をかけられ、昼食を一緒にとることに
なった。なんだかもう、それだけで訳もなく泣けてきてし
まった。

彼が私を誘ったのはワインのお礼だった。
「もらう権利はないのに」というから、「私が好きで勝手
にやったことですから」と答えた。それから3月で辞める
ことも話した。「あなたと同じ空間にいることにもう、耐
えられなくなったから」と言った。
「じゃあ俺が現場とか外に出ればいいのかな」というから、
できもしないくせに、と思いつつ。「原因はあなたのこと
だけじゃないから」と答えた。

それ以外は彼は何ごともなかったように、今熱中している
欧州サッカーのことを話しまくっていた。一瞬、昔に戻っ
たような気がして、切なくて泣いてしまった。
お昼の時間はあっというまに過ぎ、お昼をおごってもらっ
て会社に戻った。

戻る途中、彼の大きな背中を眺めながら、もう、終わりに
しよう、と思った。
恨んでいたけど、もう、それもどうでもよくなってきた。
奥さんにばらそうと思っていたけど、それもどうでもいい
ことのように思えてきた。

もう、過去の人なんだ。あきらめよう。過去は振り返らない。

本当の別れのワインになった。

本当にこれでさようならだ。自分を解き放そう。

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