一ヶ月前、図書館で、偶然安藤に会ってしまった。
彼は会社の会員向け雑誌の特集のために資料を集めによくこの
図書館を使っているらしい。
私が図書館の最上階の休憩室でぼんやりしていたら声をかけら
れた。
腰が抜けそうだった。会社を辞めて数日前に、「もう二度とあな
たに会うこともないでしょう」というメールを送ったばかりなの
に。私は彼に「あなたは本当に私を愛していてくれたのですか?」
とだけ聞いた。
でも、答えのメールは返ってくることはなかった。

たぶん、それが返事なのだろう。

愛していなかったということ。

でも、私は愛していた。

それを胸にしまいこんで、生きていくと、言った。

そんな相手に、全く予想もしない所で再会するとは、神様はなんて
意地悪なんだろう。

もう、思いはふっきれているはずなのに、未だに図書館へ行くと
彼がいるであろうはずのフロアに行って姿を探してしまう自分が
いる。

忘れることは、本当に、難しい。
愛したことは、一生、消えない。
ずっと残る、心の傷。

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